前回までの復習
水泳中の水分補給第三弾です。前回までに水泳中に飲んでいい飲料水やスポーツドリンクの種類について解説してありますので、どのようなものを飲めばいいかわからない方は、過去記事をご覧ください。今回は正しい水分補給の方法について解説したいと思います。
補給する水分量は?
一般的に運動時には500㎖から1ℓの量の水分補給が必要だと言われていますので、だいたいの目安として覚えておくとよいでしょう。しかし、運動強度やその人の体型、周辺環境によって消費する水分量も変わってくるので、補給しなくてはいけない水分量も変わってきます。
また、脱水症状を気にする方は多いと思いますが、水分の飲みすぎも逆効果で腎臓に余計な負担をかけてしまい、選手などの強度の高いトレーニングをしている人は場合によっては深刻な事態を引き起こしてしまう可能性もないとは言えません。
・運動前と運動後の体重を測ろう!
自分にとって最も適切な水分量を補給したいのであれば、練習前と練習後の体重を測り、その差が2%以内に抑えられるようにするといいでしょう。それよりも体重が減っていたら水分補給が足りてはおらず、練習前より体重が増えていたのだとしたら水分の飲みすぎです。
水分補給をするタイミングは?
水分補給をするタイミングですが、一般的な運動では15~20分おきに100㎖~200㎖くらいの水分を補給するといいと言われていますが、水泳の場合は意図せずプールの水を飲んでしまったりすることもあるので、そんな場合はきっちりと水分補給をしなくてもいいと言えます。
とは言え、プールの水を意図せず飲んでしまって水分補給の変わりができてしまうのは決して嬉しいことではないですから、そんな事態が起きないように呼吸法をしっかり練習しておきましょうね笑
・1回で大量の水分を飲んではダメ!
飲む量さえ足りていれば少しずつ飲もうが1回でがぶ飲みしようがどっちでも同じじゃないの?なんて思う人もいるかと思いますが、大量の水分を1回で飲むと、お腹に水分が溜まって泳ぐのに影響が出たり、せっかく飲んだ水分をキチンと吸収することができなくなってしまうことも考えられます。
ですから、水分補給は少量をこまめに行うことを心がけましょう。さらに、ハードなトレーニングをする場合や1時間以上の練習をするという場合は、練習開始の30分ほど前までに300㎖から500㎖程度のアイソトニック飲料を飲んでおけば、運動中に必要なエネルギーの補給ができるのでおすすめです。
飲料水の温度って気にした方がいいの?
水分補給をするための飲料水の温度は一般的には5℃~15℃位がいいとされています。これは、運動によって蓄積された体内の熱を冷ます効果があることや、適度に冷えていることで体内の飲料水の通過もスムーズに行われるからです。
しかし、水泳の場合は温水とはいえ常に水によって体温を奪われています。水は空気の20倍以上の熱伝導率があるので、選手のようなよっぽど強度の高い練習や夏場の屋外プールでの練習でもしない限り、心配するほどの熱が溜まるという可能性は低いと言えます。
ですから、水泳中の飲料水はあまり冷やす必要はないでしょう。選手の練習や外プールで泳ぐ場合の飲料水は10℃以下でいいと思いますが、それ以外の場合は15℃前後を目安にするくらいがちょうどいいでしょう。
・スポーツドリンクを凍らせるのはNG
僕も現役選手時代はよくスポーツドリンクを凍らせて練習に持って行ってましたが、これって今考えるとダメな水分補給方法なんですよね。まず、冷たすぎる飲料水による水分補給は消化器官への負担を増やしてしまうので、きちんと水分を吸収できない可能性があります。
また、スポーツドリンクを凍らせると、糖分がボトルの下の方に溜まった状態で凍ってしまうので、糖分濃度に差ができてしまいます。そうすると、意図せず必要以上の糖分を摂取してしまったり、必要な成分を摂取できなかったりしてしまう可能性があるのです。
ここまで3回にわたって水泳中の水分補給について紹介してきました。正しい水分補給はパフォーマンスの維持・向上、ケガや故障の予防などにも効果が期待できるので、効率よく健康的に上達するには必須ですよ!