プルが上手い人と下手な人では筋肉の使い方が違う


水泳は水の抵抗を利用して前に進んでいくスポーツです。そして、推進力の多くはプル(手のかき)によって得られています。つまり、楽に泳ぐのも速くのもプルが上手いかどうかで大きく変わると言えます。

プルが上手い人と下手な人との違いのひとつに、泳いでいる時に筋肉の使い方が違うということが挙げられます。

プルが下手な人は上腕二頭筋しか使えていない

大人の方の指導をしている時、プルの練習後に

「いっぱい泳いだから腕が疲れて痛くなっちゃった」

というようなことを聞くことがあるのですが、どこに疲労を感じているのかを聞いてみると、上腕二頭筋に疲れを感じているという人が結構いるようだということがわかりました。

上腕二頭筋とは、いわゆる力こぶを作った時に力が入る部分のことです。

筋肉は縮まることで力を発揮します。水をキャッチするには肘を曲げて上腕二頭筋を収縮させる必要があるので確かに上腕二頭筋も使いますが、その後の肘を伸ばしていく動作では上腕二頭筋は使いません。

にもかかわらず上腕二頭筋ばかりが疲れるというのは、キャッチの為に力を入れた時の姿勢のまま肘関節を固定し、最後まで水を押している可能性があると言えます。

肘を伸ばして水を押していくのに必要なのは上腕三頭筋

プルが上手い人は、水をかいている時の腕の位置によって水を捕らえる為に使っている筋肉が変わっていきます。キャッチの時は肘を曲げてくるので、もちろん上腕二頭筋を使いますが、肩を超えたあたりから肘を伸ばして水を押していくので、メインで使う筋肉は上腕三頭筋に変わっていきます。

上腕三頭筋は上腕二頭筋の裏側、つまり“二の腕”や“ふりそで”といった呼ばれ方をする部分のことです。

この、上腕三頭筋に全く疲れを感じないということは、プルの半分は推進力を得るために機能していない可能性があるということになります。

広背筋が使えれば推進力がさらに加速する

プルに必要な筋肉というと、腕の筋肉だけをイメージする人も少なくないと思いますが、プルで大きな推進力を得るためには腕の筋肉だけでなく広背筋も使えるようになる必要があります。

広背筋は背中の骨と腕の骨をつなぐ大きな筋肉で、腕を伸ばした状態から引き付けてくる動作に最も必要な筋肉だと言えます。

(青色の部分が広背筋)

よく、水泳選手は“逆三角形”体型だということを言われますが、それはこの広背筋の使用頻度が高く、普通の人よりもかなり発達しているので、脇の下に向かって広背筋が張り出したような状態になっているからだと言えます。

そしてこの広背筋を使えるようになると、脇の辺りが収縮するのでプッシュの部分で脇が締まるような姿勢になります。そうすることで今までよりも力強く、そして最後までしっかりと水を押すことができるようになります。

逆に広背筋が使えずにプルをやっていると、プッシュの部分で脇が開いて肘から先が外に抜けてしまうので上腕三頭筋も十分に使うことができず、プッシュも甘くなってしまうのです。

しっかりとプルができるようになれば、上腕二頭筋よりも上腕三頭筋や広背筋、つまり二の腕部分からわきの下後方部分にかけて疲労を感じることができるようになります。まずは、上腕二頭筋ばかり使うプルからの卒業を目指しましょう。

そして広背筋で水をかくという感覚がわかれば、あなたのプルは大きな推進力を発揮することができるようになるでしょう。

上腕三頭筋や広背筋の使い方を覚えたい人はこちら

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